日本酒はどんなお酒なのだろう?

 

米と水から出来た、日本独自の醸造酒。今や、世界各国でも注目を集め、様々な国でも日本酒の製造はすでに始まっている。

そんなイメージだろうか。

酒米とは

そんな日本酒は、いうまでもなく「米」から造られる。一口に「米」といっても、我々が普段口にする、ササニシキやアキタコマチ等の、いわゆる「食用米」と日本酒造りで使われる「米」、すなわち、「酒米」は違うものだ。

近年、日本酒の注目度が上がっているせいか、「酒米」(もしくは「酒造好適米」ともいわれる)への注目も上がりつつある。

日本酒を好んで飲む方であれば分かるかもしれないが、現在では「酒造好適米」の名前が日本酒のラベルに記載されている例もよくみられる。「山田錦」、「雄町」、「五百万石」、「美山錦」、「八反錦」、等、これらは代表的な酒造好適米といえるが、近年品種改良が進み、その品種も爆発的に増えつつある。

日本酒好きであれば、「酒米」を知っている。だが、「酒米」の生産者、つまり、「酒米農家」のことを知っている人は酒好きの中でもかなり少ないといわざるを得ない。自戒も含めて、蔵元は知っていても、日本酒造りに使われているお米を作っている酒米農家のことは知らないのだ。

 

酒米農家による酒 「SEN」

ここに一本の日本酒がある。

酒米の農家が中心になって造った日本酒「SEN」だ。

その「SEN」は、「自分が作ったお米が、どこにいって、どうなっているのか?」という名古屋敦氏の純粋な疑問からはじまったものだ。今でこそ、蔵元と直接契約している酒米農家も増えつつあるが、通常はJAや問屋に卸したら、もうその先で、自分が作ったお米がどの蔵のどの酒に使われているのかを知ることは少ない。

 

日本酒には長い歴史がある。酵母や、造り、酒米の種類等を考えれば、おそらく世界でも屈指といえる味の多様さを持つ醸造酒だろう。しかし、その多様さのせいか、ワインや芋焼酎と比べると、 「原料の生産者」という概念に置いては、一歩も二歩も遅れをとっている。確かに、どこで作られた酒米を使っているのかを表示している銘柄も見かけるが、誰がその原料を作ったのかが明らかになっている日本酒は殆どないといえる  。

 

「SEN」は「一圃一酒」(いちぼいっしゅ)の日本酒だ。「一圃一酒」とは、一つの田圃から造る、一つの酒、という意味を持つ言葉。  一つの田圃からとれる米を使うことによって、日本酒の味もバラつきが少なく、コントロールがしやすくなるという酒造りそのものにプラスの側面もある。 「一圃一酒」 それは、日本酒という酒に足りていなかった、「原料の生産者」という概念を更に推し進める試みだ。

 

2018年、日本の米の生産調整は終わりを迎える。それは高齢化が進む米農家に変化を与えるだろう。そして、その変化は同じく高齢化が進む酒米農家にももたらされることだろう。その意味で、「一圃一酒」という試みは、その変化の先駆けともいえるし、酒米農家の更なる活性化を願う名古屋氏の想いともいえる。

 

「SEN」は、香り高くフルーティーでありながら、米の自然の甘みが際立った、優雅な印象すら飲み手に与える日本酒である。山田錦の特徴を引き出した、非常に美味しい酒だ。優雅さという点において、これほど際立った日本酒も珍しい。

「SEN」のラベルにひかれている白い線は、鉱物を砕いた雲母を刷毛染めで、京都の唐紙職人の手によって、一枚一枚行われる。そのため、どのラベルをとってみても、一つとして同じ物は存在しない

 

ボトルはそのお酒の「顔」だ。「大切な場所を静かに引き立てる」。それが、この「SEN」という酒のボトルに込められた想いの「顔」でもある。優雅な時間、優雅な場、優雅な味。それはまさに、「大切な場所を静かに引き立てる」ヴィジュアルと味を兼ね備えたものだ。

この「SEN」によって、酒米農家が更に活性化されることを筆者としても願わずにはいられない。酒米農家の衰退は、日本酒業界の衰退にも等しいものだからである。

販売元・お問い合わせ

株式会社ten
675-2354 兵庫県加西市山下町773
0790-20-6376 / info@ten-hyogo.jp

http://sen-nihonshu.jp/

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