日本酒の種類について

目次

国税庁による日本酒の種類の分類(特定名称酒)
純米
純米酒/本醸造酒/吟醸酒/大吟醸

ラベルにみる特別表示の種類
季節酒
熟成酒
生酛/山廃 仕込み
しぼり 方法(袋吊り等)
しぼり 順番(荒走り、中汲み、責め等)
にごり/おりがらみ/うすにごり
濾過/無濾過
生酒/火入れ
スパークリング

国税庁による日本酒の種類の分類(特定名称酒)

日本酒とは、一般的にお米と水から造られたお酒を指します。

そんな日本酒でよく見かける表記が本醸造、純米、吟醸、純米吟醸、純米大吟醸といった言葉です。

お酒を飲む方であれば、見かけたことのある表記でしょう。

しかし、その種類の違いをしっかりと把握している人は意外と少ないのではないでしょうか。

今回は、そんな特定名称酒の種類の違いを簡単にでも理解して頂けたらと思います。

ちなみに、特定名称酒とは、平成2年4月から適用されている「清酒の製法品質表示基準」という酒税法に基づく表示基準を指しています。

純米

よく目にする「純米」という表記は、基本的に醸造アルコール添加の有無を指しているという認識が正しいでしょう。

つまり、「純米」の成分表示は「米・米麹」となり、「純米」という名称がつかないものの成分表示は「米・米麹・醸造アルコール」となります。

純米酒/本醸造酒/吟醸酒/大吟醸

省略図

基本的な表記は、上の表を見るとわかるように、醸造アルコールの有無と、精米歩合によって種類の区分けがなされます。

精米歩合とは、玄米を100%とした時の精米後の白米の重さのことを言います。例えば、精米歩合23%(二割三分)と表記されている場合、玄米の外側77%を取り除いているということになります。
精米歩合23%の日本酒は精米歩合が50%以下ですので、大吟醸の日本酒ということになります。

ちなみに、精米歩合50%の日本酒は吟醸とも大吟醸とも表記することが可能です(吟醸60%以下、大吟醸50%以下)。そのため、酒蔵や銘柄により同じ精米歩合でも名称が異なることが多々あります。
その辺りを意識して改めて日本酒の瓶を見てみると、少し面白いかもしれません。

また、これは個人的な見解になりますが、本醸造酒や特別本醸造酒は独特な癖を持っていることが多いので、日本酒初心者・初級者には余りオススメできません。できれば、「最もいいとされるもの」具体的には、純米大吟醸から飲むことを筆者はオススメします。

ラベルにみる特別表示の種類

季節を表す名称や、造りを表す名称等、現在日本酒のラベルに記載されている情報は多岐にわたっています。

ですが、上述した国税局による「特定名称酒」のように明確に定められたルールが有る訳ではありません。酒蔵様が任意で飲み手に分かり易く伝えるために表記されているものが殆どです。

季節酒

日本酒にも「旬」があります。

冬から春にかけて多いのが、「うすにごり」や「初しぼり」「しぼりたて」。夏に多く見れるのが、「夏酒」。秋に多いのが「ひやおろし」ということになります。「ひやおろし」とは冬に醸造した日本酒を春・夏の間涼しい酒蔵で貯蔵・熟成させ、気温の下がる秋に瓶詰めし出荷された日本酒を指します。

季節酒は現在では季節に合わせて造られたという趣が強い物が多いです。夏であればスッキリとさせ、秋はやや濃厚にといった具合に。冬に「うすにごり」が多いのは、薄いにごりが雪のイメージも重なるからだと筆者は考えます。

冬・春の季節に「初しぼり」や「しぼりたて」が多いのは、酒蔵様の稼働期間が殆どの場合、冬・春だからです(日本酒造りに暑さは大敵なのです)。

熟成酒

一般的に、熟成酒というのは熟成させた日本酒を指しますが、広義には上の「ひやおろし」も熟成酒の種類に含まれます。

ですが、熟成酒の中でも熟成古酒と位置付けされる種類のお酒となると、更にグッと少なくなります。ちなみに、熟成古酒の定義は、「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」とされています(長期熟成酒研究会の定義)。

「長期熟成酒研究会」に詳しく紹介されています

通常の熟成酒は濃厚な味の日本酒が多く、長期熟成酒は独特な風味に、深い味わいの日本酒が多く、玄人好みの味わいといえるでしょう。

/山廃 仕込み

「生酛」(きもととは、現在でも用いられる中でも古くからある製法の内の一つで、乳酸菌を空気中から取り込んで乳酸を作り、雑菌や野生酵母を駆逐する製法です。酒母になるまでの所要期間が、約1か月程かかるといわれています。現在でも時間や労力が掛かるので敬遠される傾向にあります。とはいえ、成功すればしっかりとした酒質となるため、伝統の復活のために取り組んでいる酒蔵も増えてきています。主な工程は以下の通りです。

米、麹、水を桶(タンク)に投入 > 山卸 > 温度管理 > 酵母添加 > 温度管理 > 酒母完成。
「山廃」(やまはい)とは、生系に属する仕込み方の一つで山卸廃止(やまおろしはいしもと)の略です。この方法で醸造した酒のことを 山廃仕込み(やまはいしこみ / -じこみ)、または単に「山廃」(やまはい)といいます。おおざっぱに言えば、生造りの工程から卸を除いたものとなりますが、単に山卸を省略したものではなく、関連するその他の細部の作業もいろいろ異なります。
とはいえ、山卸という工程を廃するというこでの山卸廃止酛(やまおろしはいしもと)であり、その略称としての「山廃」という認識で正しいでしょう。

しぼり 方法(袋吊り等)

日本酒のしぼりについて説明したいと思いますが、その前に日本酒の製造途中の状態である「醪(もろみ)」について説明したいと思います。

醪とは、酒母(しゅぼ)・麹(こうじ)・蒸米(むしまい)・仕込み水と、日本酒造りに必要なものを混ぜた状態のものを指します。この醪の中で酵母がアルコール発酵を行って、日本酒が出来上がっていきます。

そして、日本酒の「搾り」(しぼり)とはその言葉通り、その醪の状態から液体をしぼり出す作業のことをいいます。そのしぼられた液体が日本酒になって、醪をしぼった後に残された固形物が酒粕になります。基本的に日本酒は全てこのしぼりの工程を行っています。

そして、そのしぼりにも様々な方法があり、両側から圧力をかけて醪をしぼる通称「ヤブタ式」とも呼ばれる「炉過圧搾機」(ろかあっさくき)を使ったものや、昔から行われている「槽搾り」(ふなしぼり)と呼ばれる上から圧力をかけてしぼる方法等があり、一般的にはこの二種類のしぼりが主流です。

写真は光武酒造場の袋吊りの風景

また、「袋吊り」と呼ばれる方法もあり、「袋吊り」とは、もろみを袋に詰めて、それを吊り下げそこから垂れてくる酒をとる方法のことを指しています。高級酒に多く用いられる方法で、こうしてしぼられた酒は雫酒(しずくざけ)と呼ばれることもあります。

ちなみにですが、日本酒という定義は、このしぼりの有無が必須とされています。つまり、しぼらなければ日本酒とは言えない、ということになります。

しぼり 順番(荒走り、中汲み、責め等)

日本酒のしぼりの方法については、上で説明しましたが、続いては荒走り(あらばしり)、中汲み(なかぐみ)等と呼ばれる日本酒の種類を見ていきたいと思います。これらは日本酒をしぼる際の順番を指しています。
便宜上、三段階に分けて説明できればと思います。

荒走り(あらばしり)

荒走りとは、醪(もろみ)を搾るときに、最初にほとばしるように出てくる日本酒のことを指します。圧力を加えずに、最初に積まれた酒袋の重みだけで自然に出てくるものです。固形分である滓(おり)が多いとされ、アルコール度は比較的低くなり、香りも高く切れ味が良いものが多くなります。

中取り(なかどり)・中汲み(なかぐみ)・中垂れ(なかだれ)

醪を搾るときに、荒走りの次に、中間層として出てくる部分です。アルコール度や味は、ほどほどの中間点。味と香りのバランスが最も良く、あるいは荒走りより練られた味、と評される時もあります。簡単に言えば、しぼりの三段階のうちの真ん中に当たるのが、中取り(なかどり)・中汲み(なかぐみ)・中垂れ(なかだれ)と呼ばれるものです。

責め(せめ)・押し切り(おしきり)

醪を搾る際に、荒走り、中取り、に続いて最後に出てくるのが、この責め・押し切り等と呼ばれるものになります。アルコール度は比較的高く、かなり濃い味のお酒が多くなります。

ちなみにですが、今回は便宜上三段階の種類に区分けしましたが、殆どのお酒はこれら三つが全て混ざったものとなっています。

にごり/おりがらみ/うすにごり

にごり酒おりがらみうすにごり等と呼ばれるお酒があります。

もろみをしぼる際に、目の粗い袋で酒を濾すことによって「おり」と呼ばれる醪の中の白い部分が残ります。このようにあえて「おり」を残した日本酒が、にごり酒おりがらみうすにごり等と呼ばれる日本酒になります。

一般的に醪の一部が残っている分、濃厚な日本酒が多いです。

濾過/無濾過

通常、しぼったお酒の原酒は、淡く濁っています。そのため、そのお酒をタンクで10日ほど置き、細かな固形物を沈殿させて上澄みの部分を取り出します。このことを「おり引き」といいます。その「おり引き」後に、活性炭によって濾過を行うのですが、基本的には「無濾過」というのは、この活性炭の濾過を行っていないお酒のことを指します。
濾過を行うことによって、味や香り、日本酒の色を整えているのです。そのため、無濾過はより日本酒が出来立てに近い状態で楽しむことができます。

生酒/火入れ

生酒」とは、通常火入れを行う日本酒に対して、「火入れ」を一切行わずに出荷したものを指します。

火入れとは、日本酒を造る工程の中で行われる「加熱処理」のことを指しています。「加熱処理」(火入れ)は、日本酒の腐敗を防ぐために行われ、通常、二度行われます(醪をしぼった後と、瓶に注いだ後)。火入れをしないでおくと、火落菌と呼ばれる菌によって日本酒を貯蔵している最中に腐造されてしまうのです。

写真は麻原酒造の瓶火入れの風景

そんな安定した流通には必須ともいえる「火入れ」ですが、それをすると味が変わってしまうという問題もあります。そのため、近年酒屋さんを中心に流通が増えているのが、「生酒」です。

通常、「生酒」は保存環境を常に冷蔵にしておかなければならないため、流通が難しかったのですが、流通技術等の発達によって、現在では酒販店さんなどではよく見かけることが出来るようになりました。
「生酒」はより出来立てに近くフレッシュな味わいが特徴です。火入れと生酒、どちらが美味しいというのは一概に言えませんが、もし「生酒」を購入、あるいは、頂いた場合、冷蔵庫に仕舞うのを忘れないようにしましょう。

スパークリング

最近よく見かけるようになった、スパークリング日本酒には主に三種類の造り方があります。どれが優れいているということはありませんが、三つ確認して頂けたらと思います。

瓶内二次発酵方式
瓶内二次発酵方式とは発酵が止まっていない醪を火入れなどを行わずに「生」の状態で瓶詰めしたもののことをいいます。シャンパンなどと同じ製法で、瓶内でさらに発酵を進めて炭酸ガスを瓶内に閉じ込めている製法になります。

菊泉 ひとすじ

炭酸ガス注入方式
炭酸ガス注入方式は日本酒に人工的に炭酸ガスを加えることによってできる発泡日本酒のことをいいます。市販の炭酸飲料などでは一般的に用いられている方法と同じ方法で、二次発酵という手間がかからず安価に発泡日本酒を造ることが可能な製法です。

上善如水スパークリング

活性にごり酒
活性にごり酒とは発酵している最中のお酒を濾過せず、そのままの状態で瓶詰めした日本酒のことをいいます。発酵している最中の日本酒は、そもそも炭酸を含んでいて、そこに着目した製法になります。

千代緑 活性本生 にごり酒

 

2ページ目は「蔵こん」で扱っている日本酒の情報をあげていきたいと思います(現在制作中)。

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