去る2018年7月5日より、九州地方、西日本を中心に大変な豪雨となりました。

そのとき私は広島県呉市を訪れており、いくつかの酒蔵様と、今回紹介させて頂きます相原酒造様のところにご挨拶にあがっておりました。

いまだ災害の影響が強く残っている中で、話題に取り上げるのはどうかと葛藤はありました。しかし近年の災害の後、各県にて「お酒を飲んで応援しよう」という動きが、ある程度喜ばれている点や、私たちとしては、生活の良いときにも、辛いときにも、傍らにあるお酒が生活の活力の糧となって欲しいという願いから、通常通り更新しようと考えました。

さて、そんなわけで【酒蔵へ行こう】相原酒造 編。通常更新です。

相原酒造

相原酒造は近年、8年連続全国新酒鑑評会で受賞されており、大変優れた酒を醸す酒蔵として知られています。代表銘柄は「雨後の月」。
酒屋さんに酒質を伺うと、銘柄によって違いはありますが、香りの良さと、抑えめの酸味、飲み口のおわりがすっきりとしてまとまった美味しいお酒を醸す印象があります、とのことです。

この日は相原 準一郎 代表にお話を伺いました。

―雨後の月、おいしいお酒ですね。特にBlack Moonが印象に残っています。

雄町ですね。季節品の。いつもあるわけではないですね。

―こちらにも置かれてないのですか?

残念ながら店頭販売はやってないんですよ。

―それは残念です。それではさっそく、雨後の月についてうかがってもよろしいですか?

はい。うちは「3ヵ条」がありまして、
一、大吟醸造りで醸す
一、全品を冷蔵保存する
一、最上の原材料を使う
という決まりでやっています。

―なるほど。ちなみに最上の原材料というのは?

お米のことですが、お米の銘柄は「山田錦」とか「雄町」とか沢山ありますが、これは産地によって全く値段がかわるし、評価も変わってくるんですよ。
例えば、うちの山田錦は兵庫県の秋津・東条のもの。雄町であれば岡山県の赤磐・赤坂といったように、最高の評価のものをつかっています。

お米に関しては色々酒蔵によって考えがありますが、うちはそういった考えですね。高価になるのは当然ですし、モノによっては購入すること自体が大変なこともありますが、最高評価のお米で造るお酒は興味が湧きますよね。

米のポテンシャルが高いので、それを引き出すために、毎度いろいろ工夫しています。

―お米はお金を出せば買えるとは限らないんですね。

そうですね。酒米は、お酒を造る前提で育てるものが多いですから、仕入れ先によっては、そもそも絶対量が足りないので売れない、ということもあります。
例えば「愛山」もいまでは造っているところがあちこちあると思いますが、特定の地域の「愛山」というと、そういう苦労があります。兵庫の良いところのですね。

―ありがとうございます。おススメのお酒の紹介をお願いします。

1つは「十三夜」、もう1つは「愛山」ですね。

―「十三夜」は、これは低アルコールのお酒になるのですか?

そうですね。アルコール度数が13度だから十三夜と。
2011年ごろから試しはじめまして、コンセプトは「美味しいお酒だね、いつの間にか空いちゃったね」というようなお酒です。
普通、4合瓶を一人で空けるのはむずかしいというか、へべれけになっちゃいますよね。白ワインだと一瓶空けたりするけど。

他にも、日本酒は味に飽きるところもあるかなと。度数が高いからかなと思うわけです。そこで低アルコールを造ってみようかと考えました。ただの低アルコールだと飲むとき水で薄めればいいですが、美味しくない。

料理とあわせて味がしっかりと感じられるお酒を目指して、原酒の時点で13度になる造り、レシピになりました。これは酒蔵には公開していて、広まるといいなと考えています。実際、うちより美味しいんじゃないかなという低アルコールを造る蔵も県内にありますね。

―ありがとうございます。もうひとつ、愛山というのは「雨後の月 純米大吟醸愛山」のことですか?

ええ。兵庫県産特A地区の愛山ですね。
昭和40年代、当時は剣菱さんが今よりももっと飲まれてました。東条・秋津の愛山といえばその天下の剣菱さんのつかっているお米で、毎年毎年できるわけではないのですが、特Aの更に上の等級があり、その米は酒米で最も高いといわれる、兵庫県特A地区よりも高価なんですよ。

愛山にはいまでも未知の魅力を感じています。量に限度があるから新鮮な気持ちで取り組めるというのもありますが、なにより米にポテンシャルを感じていますから、もっと引き出したいと考えていますね。

―なるほど。ちなみにどちらのお酒も、お料理に合わせるとしたら、どういったものを想像していますか?

十三夜は汎用性があると思いますよ。チーズ、イタリアンもいけますしね。
愛山は夏に販売しているだけなので、夏に美味しい魚がいいですね。広島だと小鰯の刺身、これは7回洗えば鯛の味、というんですが。あとはハモとか良いですね。

相原代表、ありがとうございました。

後日、相原酒造と取引のある都内の酒屋にお邪魔したのですが、一時は出荷が停止されていたのですが、現在は蔵元から発送されたとのことで、そろそろ流通は回復しているそうです。
また改めてその酒屋さんについても紹介させて頂きます。

今年は地震、大雨、猛暑等、様々なトラブルに見舞われておりますが、みなさまもくれぐれもお気をつけて、大変な中でも少しの楽しみをもって、健康にお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。

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酒蔵情報

相原酒造株式会社
公式HP
〒737-0152
広島県呉市仁方本町1丁目25番15号

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  • […] 引用:【酒蔵へ行こう】相原酒造【広島県呉市】 | 蔵こん […]

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