東薫酒造株式会社
江戸文化が華やいだ文政8年、下総佐原に創業した東薫酒造は、舟便と水郷地帯の良質の早場米という、酒づくりに好適な条件のもとで、190年の歴史と伝統を誇りに、酒づくり一筋に歩んできました。
佐原の名酒東薫をぜひご賞味ください。
この蔵元について BREWERY'S DATA
代表者 | 徳永伸一郎 |
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本社所在地 | 〒287-0003 千葉県香取市佐原イ627 |
電話番号 | |
公式HP | http://www.tokun.co.jp/ |
brewery profile 蔵元について・受賞歴など
佐原の歴史
佐原は古社 香取神宮がある歴史の古い街です。
又、豊かな自然=水の里であり利根川(坂東太郎)との密接な関係があり、古代から中世まで佐原周辺は「香取の海」と言われ、霞ヶ浦、北浦と鬼怒川水系の水を湛えており、鹿島神宮と共に香取神宮の存在は大きく中央(京都)や先進地との交流が盛んにあった。
東京湾に注いでいた利根川が、近世初期(1654年)幕府が江戸を水害から守る事、利根川水運の発展を図る事、新田開発による年貢米の増収などの理由により、銚子口から太平洋に注ぐようになった。(利根川の東遷)
東北や関東各地の年貢米や諸物資は利根川を遡り江戸川を下り、江戸の蔵前や日本橋へ運ばれた。物資と共に人の往来も非常に盛んになった。
「お江戸見たけりゃ佐原へござれ、佐原本町江戸まさり」といわれ隆盛を極めた。
昭和初期まで船運が盛んであった時代、川面は貨客の船で埋まった。川岸には回漕店、汽船会社、旅館、米穀肥料商、八百屋、菓子たばこ店、川魚店、酒屋、醤油の製造屋等々が軒を連ねていた。ほとんどの家毎に荷物の積み下ろしや人の乗り降りの為に「だし」と呼ばれる船着き場が作られ「昼夜止む時なし」と言われ水陸往来の群集で賑わっていた。
醤油造りも盛んで1839年に14軒が名を連ねていたが、現在「正上」が他所で製造委託の1軒のみとなってしまった。
水の里であるため昔から川魚漁が行われ、又肥沃な農地からは米や野菜、落花生、梨などの農産物が生産され、「うり」「きゅうり」「しょうが」「小なす」「梅」などを上質な酒類、みりんで漬込み、酒粕が効いた風味豊かな漬物(忠敬漬、てっぽう漬など)が作られ名物となっている。これらの特産物は、現在も川魚を使い「すずめ焼」、わかさぎの「いかだ焼、」鯉の「すがた煮」、などそのものの形、或いは手を加え「佐原の味」として売り出されている。
佐原の酒造り、東薫酒造の歴史
江戸初期(1661~73年)に伊能三郎右衛門(伊能家の先祖)が常陸(茨城県)の牛堀平八郎から70石の酒造株を買い受けて始めた。
江戸中期(1787年)には一村で35軒の酒造家がおり、他に類例が少ない「関東灘」の異名を持っていた。
当時もっとも大きな酒造屋は永沢次郎右衛門の1675石、次いで伊能三郎右衛門の1480石で千石酒造屋が2軒もあった。(両家とも1826年には酒屋株を他へ譲り渡している)
現在は香取街道沿いにある、東薫酒造と馬場本家の2軒となっている。
下総佐原に東薫酒造は、江戸時代の華やいだ文政8年(1825年)に創業しました。
日本地図を作りあげた偉人 伊能忠敬。その伊能家は前述の通り、佐原で酒造業を営む名主であり東薫酒造の創業者は、伊能家に弟子入りし、酒造業を習得発展させたと伝えられております。
利根川の船便と水郷地帯の良質の早場米、良質な水と言う酒造りに好適な条件のもとで、約190年の歴史と伝統を誇りに酒造り一筋に歩んで参りました。
杜氏「及川恒男」のご紹介
越後、丹波、但馬と並ぶ4大杜氏のひとつで、日本最大の杜氏集団として日本のみならず世界にその名を馳せている「南部杜氏」400人を代表する酒造りの名人。
20才のときに農閑期の冬場働ける杜氏を志しました。
宮城県石巻市の酒造会社で13年間修行し、その時に「浦霞」の平野佐五郎杜氏の薫陶を受け、その後富山県の蔵で6年を過ごし、この間に仙台国税局が実施した杜氏選考試験に合格、39才の時に当社へ入社。
42才の時に国家試験である1級酒造技能を取得。
及川式醪(もろみ)冷却装置を考案、実用化。
及川杜氏にとって良い酒とは、どんな酒でしょう、一言で、と聞いたら、「花でたとえるなら桜のような馥郁たる香りの酒.....」と答える。
及川杜氏の受賞歴
平成27酒造年度 全国新酒鑑評会金賞受賞
全国新酒鑑評会 金賞16回 (県内最多)
東京国税局管内新酒鑑評会 優等賞37回
南部杜氏自醸酒鑑評会 金賞連続40回
千葉工業試験場長賞 2回
日本吟醸酒協会表彰 3回
岩手県知事賞 10回
日本酒造組合中央会会長賞杯
千葉県卓越技能(県の名工)千葉県知事表彰
第2回全国酒類コンクール 最優秀杜氏賞受賞
ウィーン酒祭りコンクール 金賞
MONDE SELECTION 銀賞
東京国税局管内新酒鑑評会 吟醸清酒の部総代
国の卓越技能者(国の名工)労働大臣表彰
平成16年秋黄綬褒章受章
國酒について
昭和55年、大平首相が閣議で日本酒を「國酒」と呼び、「清酒は日本を代表する酒である」と定義した。
平成21年、日本酒造組合中央会は「沖縄宣言」で「國酒」として、日本酒、泡盛、合成清酒、しょうちゅう、みりん、とする事を宣言し、翌平成22年「國酒」を商標登録した。
清酒は冷でも温めても飲酒できる点がビール、ウイスキー、ワインとは異なっている。
又、アルコール度数が低い日本酒は健康嗜好にもあっており、平成25年にユネスコ世界無形文化遺産に日本食が登録されたことをバネに、食前酒、食中酒でもある清酒は国内外で一層の消費が拡大されるものと思われる。