弥生焼酎醸造所
大正11年川崎タミ(名瀬市名誉市民第1号)が創業。
3月に創業したことから、会社名、銘柄名とも弥生となりました。
新納政吉に技術指導を受け、昭和初期まで泡盛として販売、戦前戦後原料が入手困難な時、ソテツ、椎の実などの食物から焼酎が造られました。
昭和20年代黒糖を使用した焼酎が造られ今日3代目川崎洋三が社長を引き継いでおります。
この蔵元について BREWERY'S DATA
代表者 | 川崎 洋三 |
---|---|
本社所在地 | 〒894-0006 鹿児島県奄美市名瀬小浜町15-3 |
brewery profile 蔵元について・受賞歴など
選び抜かれた良質の黒糖と拘りのタイ米を主原料に受け継がれた技と「おいしい黒糖焼酎」造りへの情熱から、弥生黒糖焼酎は出来上がります。
黒糖焼酎の主な原料は、黒糖と米(こうじ)です。米はタイ米を使用しています。日本の加工用米は古々米なので、吸水率がバラバラで、蒸し上がりが均一になりません。 タイ米の方がいい状態で麹の出来が良く、味が全然違います。
米は自動製麹機で洗浄、浸漬、水切り、蒸し、冷却を行います。蒸しあがった米を冷却した後、麹菌を散布して適温を保ち約40時間熟成させます。 この時、麹菌は大量のクエン酸を生成します。このクエン酸には雑菌による汚染防止の働きがある為、「もろみ」の腐敗を防いでくれます。
黒糖は高温の蒸気で溶解した後、25~30度に冷やして一次仕込後に使用。
弥生焼酎の一次仕込みは甕仕込(かめじこみ)です。
ドラムで製麹(せいぎく)した麹を出して、甕に入れていきます。麹菌(こうじきん)が造るクエン酸によって、雑菌からの汚染を防ぎます。
また、甕の中には糖をアルコールに変える「酵母(こうぼ)」が入っており、その酵母を増やす役目が、一次仕込みにはあります。
- 麹菌(こうじきん)
- デンプンを糖に変える菌。クエン酸によって雑菌から守ってくれます(焼酎の場合)。
- 酵母(こうぼ)
- 糖からアルコールを造る。この役割は二次仕込みで発揮するので、一次仕込みでは酵母の数を増やすことが大切になります。
一次仕込みでしっかりと酵母(こうぼ)を育てたら、二次仕込みに移ります。
黒砂糖を溶かして、冷やしたものをタンクに移動します。 この甕から、一次モロミを黒砂糖の上にかけます。
一次仕込みで育った酵母(こうぼ)が、黒砂糖の糖をアルコールに変えていくのが二次仕込みです。
蒸留方法には、常圧蒸留と減圧蒸留(げんあつじょうりゅう)という方法がり、最近は減圧蒸留の焼酎が多いと思いますが、弥生焼酎では、常圧蒸留で焼酎を蒸留しております。
二次仕込みで米麹と酵母と黒糖を混ぜて、アルコール発酵させてできたモロミをモーターで蒸留器の中に移動します。
- 減圧蒸留
- 蒸留器内部の圧力を下げる事によって、アルコールの沸点を43~45度まで下げ、アルコールの成分を中心に回収する方法。原料由来の成分などがあまり入ってこないので、雑味のないスッキリとした焼酎ができあがります。
- 常圧蒸留
- 1気圧で蒸留します。モロミの温度も100度近くまで上がるので、アルコールの成分の他にも原料由来の香味成分がたくさん焼酎に入ってきます。コクと香りの強い焼酎ができあがります。
蒸留を終えた原酒をタンクで貯蔵し、焼酎の味わいを深めます。
その後、甕や樽に移動して風味や酒質を変えていきます。
貯蔵には、新樽(いままで何も酒を入れていない新品)を使用しています。
材質は、樫の木で「樫樽(かしだる)」と言います。
- 甕貯蔵の酒
- 瓶仕込、碧い海
- 樽貯蔵の酒
- まんこい、太古の黒うさぎ、弥生ゴールド
樽から瓶に焼酎を移し、キャップを閉めたら、目視検査を行います。
検査を終えた瓶にラベルを貼り、箱に詰めたら出荷します。
機械を使っての作業は、ラベル貼りくらいで、その他の行程は手作業です。