蔵元の紹介 Brewery's data

高田酒造場

熊本県球磨郡あさぎり町の【合資会社高田酒造場】は焼酎造りにこだわり続けて100余年、球磨焼酎の伝統を守りながら、丁寧な仕込みにこだわり、常にチャレンジし続けています。
これまでの伝統を守りつつ、これからも米焼酎のイメージを覆すような新しい球磨焼酎を造り続けます。

『できるだけ自然のままに』これが私たちの焼酎造りの基本です。
焼酎は全て手造りで、昔ながらの石蔵の麹室、カメ(甕)仕込みを受け継ぎ、こだわりの少量生産を守っています。
仕込み蔵に入る山からの風、安定した環境の土の中のカメ、周りの自然環境もここだけの焼酎を造ります。
『100年の歴史を、次の100年につなげたい』
量を追わない、質を高め続ける焼酎造りを、私たちはこれからも続けていこうと思います。

この蔵元について BREWERY'S DATA

代表者 高田 啓世
本社所在地 〒868-0442 熊本県球磨郡あさぎり町深田東756
電話番号
公式HP https://www.takata-shuzohjyo.co.jp/index.html

brewery profile 蔵元について・受賞歴など

蔵元のポリシー

  • できるだけ自然のままに

    できるだけ自然のままに

    【合資会社高田酒造場】は日本三大急流の一つ、球磨川の近くにある小さな蔵元です。
    焼酎は全て手造りで、昔ながらの石蔵の麹室、カメ仕込みを受け継ぎ、こだわりの少量生産を守っています。

    私たちの焼酎造りの基本は『できるだけ自然のままに』です。
    仕込み水は良質な地下水のほか、海抜1,000mの山奥に湧く岩清水を使っています。
    また、仕込み蔵に入る山からの風、カメを微妙に冷やす地下水、周りの自然環境もここだけの焼酎を演出しています。

    原料の米にもこだわり、アイガモ農法の無農薬米や自家栽培の山田錦(酒米)を使用、さらに、酒類業界で話題の野生の花酵母を採用した球磨焼酎が、次々とここ【高田酒造場】から生まれています。

高田酒造場のこだわり

  • 良質な水質を誇る人吉球磨の水

    良質な水質を誇る人吉球磨の水

    熊本県・人吉球磨の水はもともと良質な水質を誇る水です。

    香り高い米焼酎を仕込むにあたって、この地下水の他にいくつかの山清水を試した結果、九州の秘境・五木村の「アポロ峠」の山清水に行きつきました。
    熊本県五木村のアポロ峠(標高1,000m)に湧き出る山清水を、往復2時間半かけて汲みに行き、仕込み水に使用しています。

  • 各銘柄にあわせて厳選した米を使用

    各銘柄にあわせて厳選した米を使用

    使用する原料の米もすべて安全な地元産です。
    地元産のあさぎり米(ヒノヒカリ)やアイガモ農法で栽培した無農薬米、米の精白度も上げ、丸くなるほど磨き上げた米など、各銘柄にあわせて厳選した米を使用しています。

    【高田酒造場】の球磨焼酎は、普段食べる米と比べても、さらに高品質の米を贅沢に使った純米焼酎です。

  • 原料だけでなく環境にもこだわる

    原料だけでなく、環境にもこだわる

    これらのこだわりは、水や米という原料だけでなく、【高田酒造場】は環境にもこだわります。
    麹室(こうじむろ)は【高田酒造場】のシンボルとも言える創業以来の石蔵です。
    換気は天窓のみで行い、石蔵の蔵室には山からの自然の風が流れ込みます。
    麹造りの作業も、ドラム式の製麹機を使うのではなく、今でも人の手で丹念に造っています。
    仕込みに使うカメも、地下の水脈により絶妙に冷やされることで【高田酒造場】の焼酎をさらに美味しくしています。
    私たちの球磨焼酎は自然の恩恵を受けて造るので、出来栄えも微妙に違っています。
    それを加味しながら、これまで培った経験と技で伝統の球磨焼酎を完成させています。

  • 仕込み蔵

    仕込み蔵

    【合資会社高田酒造場】が創業100年を迎える時に新しく建替えた仕込み蔵は、鉄骨でありながらも木の温もりのある蔵となっています。地中に埋め込まれたカメ(甕)は現在も昔の蔵の配置のまま使用しています。

  • カメ(甕)

    カメ(甕)

    創業以来伝わるカメ(甕)は100年以上たった今も受け継ぎ、仕込みに使われており、深さも大きさも様々です。地下の伏流水も関係していると思いますが、カメによって発酵が早いものや遅いものもあります。

  • 麹室(こうじむろ)

    麹室(こうじむろ)

    【高田酒造場】の麹室(こうじむろ)は伝統で引き継がれる石蔵の中に造られています。ドラム式の製麹機を使うのではなく、『できるだけ自然のままに』にこだわり、今でも人の手で心を込めて丁寧に造っています。

  • 蔵への想い

    蔵への想い

    左図は【高田酒造場】の近景です。
    右が仕込み蔵、左にあるのが石蔵です。

    【高田酒造場】の歴史を刻む「蔵」は、100年の歴史を終え、平成15年に新しく生まれ変わりました。
    これまで同様、新しい仕込み蔵も地下の水脈、蔵に入る空気の流れなどをしっかりと受け継いでいます。
    次の100年・200年後にバトンを渡す中間走者として、この蔵とともに、これからも楽しみを分かち合いたいと考えています。

高田酒造のマメ知識

  • 石蔵

    熊本県で最も古いといわれる【高田酒造場】の石蔵です。高田酒造場の焼酎の熟成に欠かせない、歴史を刻んできたシンボルの一つです。

  • 樫樽

    石蔵の中には、コニャック樽、シェリー樽、スコッチ樽など5種類の樫樽が置かれ、【高田酒造場】の焼酎が熟成されています。

  • 岩清水

    海抜1,000mの山頂近くの岩清水はアポロ峠の奥に分け入り、仕込み水として汲んでいます。崖っぷち車幅ぎりぎりの道の先にあります。

  • アポロ峠

    アポロ11号の月面着陸とほぼ同じタイミングで、工事作業用のブルドーザーが峠に到着したことからアポロ峠と名付けられました。

高田酒造場の歴史

  • 高田酒造場「又助」ヒストリー

    高田酒造場「又助」ヒストリー

    日本三大急流の一つ球磨川が流れる球磨郡あさぎり町、初夏にはたくさんのホタルが飛び交い、上質な米と清冽な水に恵まれた自然豊かなこの地に【高田酒造場】はございます。

    高田家の歴史は江戸時代から、かつて高田家は庄屋を営んでおり、当主には「又助」の名が与えられました。

    焼酎造りが始まったのは、明治35年 9代目又助(高田官治)からです。
    当時誕生した銘柄は「秋穂」、【高田酒造場】唯一の銘柄でした。
    完全手作りの「秋穂」は、品質に自信はあるものの、小さな蔵の商品は置かせてもらえず、創業当時の商売は苦難に満ちたものでした。
    幾多の困難に直面するも、焼酎造りに日々精進し「又助」の名と蔵は、10代目(章)、11代目(健)へと受け継がれます。

戦争という激動の時代を守り抜いた11代目(健)は、自身の病魔に侵されます。
当時、東京で働いていた健の息子・啓世(たかひろ)は、家業を守るため帰郷し、24歳で12代目「又助」を継承します。
そこから高田酒造場の新しいステージが始まります。

高田酒造場の新しいステージの始まり

  • 酒類鑑評会にて焼酎醸造部門の主席を獲得

    酒類鑑評会にて焼酎醸造部門の主席を獲得

    帰郷の翌年、昭和60年に樫樽貯蔵の焼酎作りのため樫樽を購入し、昭和63年に樫樽貯蔵「オークロード」「原酒」を発売、また「五十四萬石 旬」が、平成10年熊本国税局の酒類鑑評会にて焼酎醸造部門の主席を獲得しました。
    商品名「旬」の題字は、11代目(健)の自筆で、11代目(健)が、ガン手術で入院する直前に、12代目(啓世)がお願いして書いてもらったものです。
    この「旬」の文字には当時の父子それぞれの想いが込められています。

  • つながれていく伝統

    つながれていく伝統、そして改革と革新

    12代目(啓世)は、アイガモ農法米や花酵母を使用した本格焼酎など、斬新なアイディアで新商品を開発し、熊本・東京の百貨店を始め、全国から取引の申し込みが入るようになります。
    また、啓世の娘、恭奈(やすな)は女性ならではの目線でリキュールの開発など、新しい球磨焼酎を展開しています。
    球磨川近くの小さな蔵は、時代の流れが変わろうとも「又助」の名とともに、伝統を守りながら進化し続けています。

  • これまでの100年からこれからの100年へ

    これまでの100年から、これからの100年へ

    私たち【合資会社高田酒造場】は、平成15年に創業100周年を迎えました。

    焼酎への想いは途絶えることがありません。

    これからも次の100年に向かって、小さい蔵だからできるこだわりの焼酎を大切に育んでいきます。

    • 球磨焼酎に込める想い

      球磨焼酎に込める想い

      こちらのページでは【高田酒造場】で球磨焼酎ができるまでの一連の流れをご紹介しようと思います。
      球磨焼酎とは、米のみを原材料とし、人吉球磨の地下水で仕込んだもろみを使い、人吉球磨で蒸留、瓶詰めされた焼酎のことを指します。
      平成7年に、世界貿易機関によって地名を冠することを認められ、世界的なブランドの一つになりました。
      中でも【高田酒造場】では球磨焼酎の蔵元では唯一の『花酵母』を使った焼酎造りで個性を発揮しています。
      現在は男性だけでなく、女性の皆様にも焼酎を楽しんでいただけるように、熊本県産の果物を使ったリキュールの生産も行っています。
      『伝統と革新』、地域の文化を育んできた球磨焼酎への想いと、ふるさとへの想いを歴史の背景と併せて、皆様に味わっていただけるよう、心を込めて焼酎を造っております。
      >>【高田酒造場】インタビューの様子はこちら

    高田酒造場の焼酎造りの工程を簡単にご紹介します。
    焼酎造りは、「精米」→「蒸し」→「仕込み(一次仕込み・二次仕込み)」→「蒸留」→「貯蔵・熟成」の工程に分けられ、行われます。
    • 精米

      精米

      まずは、吟味された熊本産の原料米(写真は熊本県産・ヒノヒカリ)を精米、球磨焼酎という伝統ある焼酎を生み出すために丁寧に磨き上げます。
      様々な銘柄の酒に応じた原料米を、最も味わいの出る状態に精米していきます。
      それは、永年の経験に裏打ちされた作業で、職人たちの心を込めた焼酎造りの幕開けでもあります。

    • 熊本県産ヒノヒカリ
    • 洗米
    • 水切り
    • 蒸し~冷却~麹造り

      蒸し~冷却~麹造り

      精米された熊本県産の原料米を水切りし、蒸しにかけます。
      まるで温泉のように白い湯気が立ちこめ、米の放つ甘い香りが酒蔵の中に溢れます。
      石蔵の蔵室に蒸した米を移した後、唯一の換気口である天窓で、山から吹く自然の風を取り入れながら冷まし、次の種つけ・麹造りの段階に進みます。
      麹造りの作業も、ドラム式の製麹機を使うのではなく、手造りにこだわり、今でも人の手で丹念に行っています。

    • 麹室
    • 自然冷却
    • 種つけ・麹造り
    • 仕込み(一次仕込み・二次仕込み)

      仕込み(一次仕込み・二次仕込み)

      蒸米と麹をあわせたら、タンクの中で発酵を促し、酵母を大量に培養します。
      でんぷんの糖化とアルコール発酵を併せて進行させていきます。
      おいしい球磨焼酎になるためには、この工程がもっとも重要な時間で、作業は温度管理が非常に重要なため、常に監視を続ける必要があります。
      決して急がず、日々変わりゆくタンクの中を、厳しい目で見つめています。

    • カメ(甕)
    • 仕込み
    • 熟成
    • 蒸留

      蒸留

      二次仕込みによってできたもろみを蒸留器で蒸留していきます。
      蒸留機に移すと、そこには無色透明の液体が、ゆるやかにできていきます。
      まさに、伝統の技術と魂の結晶、球磨焼酎ができ上がる瞬間です。

    • 貯蔵

      貯蔵

      でき上がった焼酎は、まだ蒸留後特有の匂いが残っているため、銘柄によって、樽やほうろうタンク・カメ等に移され、しばしの間眠りにつき、貯蔵・熟成の期間に入ります。
      静かに眠る酒樽が重なり合う姿はまさに壮観です。
      製品によっては、ここで10年から20年もの間寝かせることもあります。
      この工程を踏むことで、深みがあり、まろやかでコクのある焼酎を造り出すことができます。

    • ほうろうタンク
    • 石蔵01
    • 石蔵02
    以上の工程を経て、焼酎は皆様のお手元へ届けられます。
    ご紹介したのは、高田酒造場の一般的な流れですが、焼酎は「主原料」「製造工程」「熟成期間」などによって、様々な味わいを生み出せるお酒です。
    これからも、皆様にご満足いただける焼酎造りができるように、日々精進して参ります。

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銘柄により酒屋様に取り扱いのない場合もございます。予めご了承ください。