今回の「酒蔵へ行こう」は青森県弘前市にあります「六花酒造」にお邪魔しました。
六花酒造は1972年3月、3つの酒蔵が合併して誕生しました。もともとの創業は1719年(享保4年)まで遡るそうです。
六花酒造
六花酒造の伝統銘柄は「本醸造 津軽じょっぱり」
合併当初の昭和40年代は濃厚な甘口のお酒が流行っていたそうですが、「口当たりはスッキリしながら、旨味もあって辛口なお酒を醸そう」ということで、日本酒度+8の辛口のお酒になりました。
会社設立から40年以上経ちまして、技術、設備に進歩があるわけですが、それでも当時の味、「じょっぱり」らしさを大切に醸し続けているそうで、「本醸造 津軽じょっぱり」の日本酒度+8は変わっていません。
名前の「じょっぱり」は、みなさまお気づきの通り、方言になります。
青森県は西半分を津軽地方、東半分を南部地方と呼ぶのですが、「六花酒造」は津軽地方に分類されます。
「津軽弁と南部弁とを較べると、津軽弁の方が何を言っているのかわからないのよ」と、土地の喫茶店の奥様が誇らしげに語っておりました。私は東北弁と比較的近い方言のある新潟の山村で育ったのですが、子供の頃によく、「じょっぺになってんでね!」と叱られたものです。
閑話休題。
「じょっぱり」とは津軽弁では「強情っぱり」から転じて、「頑固者」を指します。
いまでは「じょっぱり」にも様々な種類、酒質がありますので、社員杜氏の河合貴弘部長に、いまイチオシの銘柄と一緒に、「じょっぱり」らしい写真をリクエストしました。
ナイスじょっぱりです。こちらは「純米大吟醸 じょっぱり華想い」になります。
酒米の「華想い」は「山田錦」と青森県産の「華吹雪」が掛け合わされて造られ、県内でも評価が高く、価格的にも高級なお米になります。さらに「純米大吟醸 じょっぱり華想い」は県産酵母の「まほろば花酵母」をつかい、米、酵母、水の全てが県産の地酒になります。
2014年、2016年、2018年、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門、純米大吟醸酒の部にて3度目のGOLDを受賞しています。青森県の酒造組合全体でIWCにチャレンジし始めたのが2013年のこと。最初は「大吟醸じょっぱり華想い」がGOLDを受賞し、翌年からはじめた純米大吟醸が非常に好評ですので、イチオシのお酒になります。
味わいは旨口芳醇。味わいの満足感は確かながら、飲み終わりはすっきりとしています。
また、ちょっと変わったところでは、「吟醸じょっぱり」で用いている華吹雪というお米で、「特別純米 華吹雪」や、仕込み水違いの「特別純米 龍飛」といったヴァリエーションがあります。
「特別純米 龍飛」青函トンネルが通る、その地底から湧きあがる名水、龍飛名水を仕込み水として使用した「特別純米龍飛」。比較すると爽やかでキレの良いお酒なので、女性にも飲みやすいお酒です。
このように、六花酒造では飲み比べがしてみたくなるような、ちょっとしたスペック違いのお酒が並んでいますので、お手すきの際には一度、楽天ショップをのぞいてみると楽しめると思います。(https://www.rakuten.co.jp/rokkashuzo/)
公式楽天ショップの方が、公式サイトより早く最新の情報に切り替わります。
津軽海峡ふらんす景色?
さてここで、普段はあまりフューチャーしていないお酒について紹介したいと思います。まずはこちらの写真をご覧ください。
なんとこちらはブランデーの本場フランスで使用されている蒸留釜。
六花酒造では、これを一台丸ごと輸入して、焼酎の製造に当てたのです。近寄ってみると、プレートにcognac(コニャック)という表示が。
この窯でアルコール度数40度、洋酒のように濃厚な米焼酎を造っております。
「本格米焼酎40度 津軽海峡」
気になるお味は、お米らしいまるみがあり、とろりとした飲み口と、米の香りがとても強いとのこと。醤油ベースの味付けに非常にマッチします。25度の「津軽海峡」や、通常の米焼酎もありますし、通常の米焼酎にも、通常の酒を絞った後の米と、精米時の残りから造るヴァリエーションがあります。
原料の違いは香りのあるなしに大きく関わるそうで、通常の酒粕の焼酎は香り豊か。全国でも珍しい精米時の削った米でつくった焼酎は香りが弱く、様々な食事にあわせやすい風味です。
残念ながら六花酒造は一般の酒蔵見学を受け付けておりませんが、公式サイトや、先の楽天ショップで情報発信されていますので、ご興味のある方はぜひそちらをご覧ください。
酒蔵情報
六花酒造株式会社
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