日本国内における日本酒の消費量は減少傾向にあります。そもそもの人口減少に、若い人たちのアルコール離れ等、その原因は枚挙にいとまがありません。とはいえ、こと若者のアルコール離れに関しては、ワインの国フランスでもおこっていることらしいので、世界的な流れなのかもしれません(1980年から2020年までの間で国内消費量は半分以下にまで減少している)。
酒好きからすると、なぜこんな暗い話題から入るんだ!という声も聞こえてきそうですが、そんなアルコール業界全体に逆風が吹く中、それでも日本酒業界に新しく参入しようとする酒蔵がいるから、です。
一口に新規参入とはいっても、今回の記事では様々なパターンがあります。例えば、一度潰れた酒蔵を復活させるパターンや、本当に新しく酒蔵を作るパターン、今は他の蔵に設備などを借りてお酒を造っているパターンなどがあげられます。
「日本酒業界 新規参入酒蔵の銘柄 4選」と名前を付けましたが、本来ですともっと多くの新しい銘柄を紹介したいのですが、「蔵こん」の特性上、一定以上の酒屋様に取扱われている銘柄のみといった形です。もう飲んでる銘柄から、まだ飲んでいない銘柄まで、皆様の日本酒ライフが新しい日本酒にってより充実することを祈っております。
光栄菊
2006年に廃業し、2019年に復活したのがこの「光栄菊」です。かの失われてしまった銘酒「菊鷹」の杜氏さんを招き造られた「光栄菊」ですから、復活した時から注目度も高く、今では「新しい酒」という理由ではなく、「美味いから」という理由で注目を集める銘柄です。今では、かなりレアなお酒となり、見つけることも手に入れることもなかなか難しいお酒となりました。
九州の酒処、佐賀県注目の新星です!
光栄菊酒蔵株式会社
所在地:〒845-0023 佐賀県小城市三日月町織島2602番地3
tel:0952-97-6710
URL:https://www.instagram.com/koueigiku/
郷宝
2020年に新しく作られた箱館醸蔵の「淡麗旨口」という相反する味わいを旨とする銘柄「郷宝」。飲んだことない、あるいは、聞いたこともないという方も多いのではないでしょうか。それもそのはず、北海道は函館の隣で創業した箱館醸蔵は現在、関東や関西ではほとんど販売されていない銘柄だからです。手に入れるとしたら、通信販売が妥当でしょう。地産にこだわり北海道産の酒米で仕上げれる酒はまさに「郷」の「宝」ということなのでしょう。
近年、酒処になりつつある北海道注目のお酒です!
函館醸造 有限会社
所在地:〒041-1121 北海道亀田郡七飯町大中山1丁目2−3
tel:0138-65-5599
URL:http://gohhou.jp/
稲とアガベ
2021年の9月28日に醸造酒免許と清酒製造免許を取得したというまさに生まれたてほやほやの酒蔵。活動自体は、2020年から行っていたようですが、その間の醸造は「土田」や「誉国光」などで有名な土田酒造に委託醸造していたそう。いわゆる、海外販売向けの日本酒醸造免許の規制緩和によって生まれた酒蔵さんです。代表の岡住修兵氏は秋田の新政酒造で4年間修業していたとのこと。もちろん、新しい酒蔵が生まれていくことは非常にうれしい話ですが、日本で生まれた国酒の1つである日本酒が、海外向けでなければ緩和されないというのも、なんだか寂しい話だなとも思うのですが、この規制緩和自体は非常に喜ぶべきことだと考えます。今後も新しい日本酒がどんどん生まれてくれたらなと思います。
稲とアガベ醸造所
所在地:〒010-0511 秋田県男鹿市船川港船川新浜町1−21
tel:0185-47-7222
URL:https://www.inetoagave.com/
敷嶋
「敷嶋」は愛知県の半田市の伊東合資会社という酒蔵が造る酒でした。歴史は古く天明8年(1788年)創業の酒蔵さんですが、2000年に廃業することとなってしまったそう。その20年後の2020年、伊東家9代目伊東優氏の手により「敷嶋」は復活したのでした。とはいえ、酒造免許は返却していたため、お酒を造ることはできませんでした。そのため、三重県の「天下錦」などで有名な福持酒造場に委託醸造をお願いしていたとのこと。2020年醸造の「敷嶋」を「敷嶋 0歩目」と名付け、2021年醸造の「敷嶋」を「敷嶋 半歩目」としたそう。2021年3月には清酒製造免許を取得しました。近いうちに「敷嶋 1歩目」を飲むことが出来そうですね。
伊藤株式会社
所在地:
tel:
URL:https://shikishima-ito.com/
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