今更聞くのも少し恥ずかしい、と思われる方もいると思いますので、こっそりと読んでもらえたら、と思います。

 

日本酒と焼酎の最大の違い

日本酒という酒と、焼酎という酒の最大の違いをあげるとすれば、それは醸造酒と蒸留酒の違い、ということになります。日本酒は醸造酒であり、焼酎は蒸留酒なのです。

 

醸造酒の定義はといえば、原料を酵母によってアルコール発酵させたものを指します。日本酒やビール、ワイン、シャンパン等がこの醸造酒に含まれます。蒸留酒と比べればアルコール度数が低いのが特長でしょう(最大でも16度~20度程度が醸造酒のアルコール度の限度といわれている)。

写真は日本酒を造る際の発酵

対して蒸留酒はといえば、上述した醸造酒を蒸留することで造られるものを指します。焼酎やウイスキー、ラムや泡盛、テキーラ、ジン、ウォッカ等がこの蒸留酒です。醸造酒と比べ、アルコール度数が高いのが特徴といえるでしょう。

写真は黒糖焼酎を造る際の一次仕込みの発酵

酵母によってアルコール発酵で作り出せる醸造酒のアルコール度数は前述したように、16度~20度程度が限界とされています。これ以上の濃度を実現させようとすれば酵母自身が死滅してしまうからです。そのためこれ以上度数を上げるためにはアルコールの濃縮が必要になるのです。

 

1気圧におけるアルコールの沸点は約78℃程度です。水の沸点は約100℃と差があるので、単純に加熱濃縮した場合はアルコールの方が気化しやすく、逆に原液の度数は下がります。強い酒を造るためには、そこで蒸発したアルコールの方を集めて濃縮する必要があるのです。「蒸」発したアルコールを「溜」めたものを、蒸留と呼ぶ。とすると、覚えやすいですよ。

写真は焼酎を造る際の蒸留器

醸造酒を蒸留器で加熱すると、沸点の低いアルコールが水よりもはやく気化していきます。この蒸気を集めて冷却することで液体に戻します。すると、気化したアルコール分を集めるため元の醸造酒よりもアルコールが濃縮されたものが出来上がり、アルコール度数の高い酒になる。これが蒸留酒ということになります。

 

終わりに

以上が、蒸留酒である焼酎と、醸造酒である日本酒の違いです。日本酒を蒸留すると米焼酎が出来あがります。ちなみに、ワインを蒸留したものがブランデーになります。しかし、ビールを蒸留しても、麦焼酎にはなりません。焼酎は、麹をつかっていないと、焼酎と名乗ることが許されていません。ビールは一般的にビール酵母という菌で造られているからです。とはいえ、近年では、麹をつかったビールも見かけるので、一概には言えないのですけど。

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