今回の【酒屋へ行こう】は、神奈川県横須賀市にある「SAKE芯」さんにお邪魔して参りました。昨年の夏に「油長酒造」さんにお邪魔させていただいたので、「風の森」を扱っている酒屋さんに取材できないかということで、今回の運びとなりました。
SAKE芯
「SAKE芯」は横須賀中央駅から少し離れた住宅街の中に静かに佇んでおります。
店主の松尾伸二さんが、60歳の頃に脱サラして始められました。自宅の二階で営業されているため、一見するとごく一般的な家との区別がつきません。
近づいて見ると「SAKE芯」の表札が
この「SAKE芯」さんの大きな特徴をあげるとすれば、一般的な酒屋と違い、来店するのには予約が必須という点と、全ての商品が試飲できるという点があげられます。
隠れ家のような雰囲気があり、落ち着いた印象の店内。来店したお客さんは、ソファに座り、メニューを眺めながら、店主が好みを聞き、オススメしてくれるお酒を試飲していきます。試飲したお酒の中で、気に入ったお酒を購入していくちょっぴり変わったスタイルの酒屋さんです。
こういったスタイルにした理由を店主の松尾さんにお伺いしたところ、「お酒を買って、飲んでみたら口に合わなくて、がっかりした経験ってあるでしょう?私もそういった経験が何回かあって、こういった形にしたのは、その経験が大きかったからなんです」とのこと。
確かに、酒屋さんでお酒を買ってみて口に合わないと感じることは何回か体験したことがありますし、もしそのお酒が、少し高めのお酒だったら受けるダメージもなかなかのものです。店主の松尾さんは言います。
「もし、少し値段の張るお酒が口に合わなかったら、そのがっかり感ってとても大きいじゃないですか?まして、それが一升瓶とかだったら特に。だから、うちで取り扱っている商品は、全て私が試飲していますし、高いお酒ほど念入りに試飲しているんですよ」
徹底的に扱うお酒の品質チェックが行われ、仕入しても味が乗るまで販売を延期するケースもあるという。
こだわり、選び抜かれたお酒は有名無名問わず、フレッシュでフルーティーなお酒でそろえられており、フレッシュでフルーティーな系統のお酒が好きな方には、たまらないお店といえるでしょう。
「風の森」について
そんな、「SAKE芯」店主の松尾さんに「風の森」についてお尋ねしてみたところ、「風の森」と松尾さんとの出会いは、15~16年前のこと。初めて飲んだ時の鮮烈さとフルーティーさは忘れられないとおっしゃいます。当時、「風の森」がすでにインターネットで少しずつ話題になり始めていた頃で、「SAKE芯」を開店することになったきっかけのお酒の中の1つとのことでした。
そんな、「風の森」を造っている油長酒造さんとの付き合いが始まったのは、松尾さんが「SAKE芯」を初めて間もなくのこと、既にお亡くなりになられた油長酒造の先代社長様の頃からとのことで、当時から今に引き継がれているその酒質へのこだわりに感動したとのことでした。
「よく、「風の森」は炭酸ガスが特徴みたいに言われるけど、それは違うんですよ。先代社長が無濾過生原酒を年間を通じて流通させるためには、酒屋さんや消費者の方の管理がまちまちなため、ある程度常温に置かれても劣化しないお酒を探求していった結果行き着いたのが、発酵の際に発生する炭酸ガスをお酒に溶け込ませる方法だったんです。この結果お酒の酸化が抑えられ劣化の少ない風の森になった訳で、発泡性のある日本酒を造ろうとしたのではなく、劣化しにくい日本酒を造ろうとした結果発泡感のあるお酒になったんです」
と松尾さんはおっしゃいます。
そんな、「風の森」のオススメをお尋ねしたところ、オススメされたのは、「風の森 純米 秋津穂」でした。
「「風の森」はどの商品もとても美味しいのですが、初めての人にオススメするとしたら「風の森 純米 秋津穂」ですかね。味と値段のコストパフォーマンスを考えると(4合瓶で税抜1050円)、僕は日本一の酒なんじゃないかなと思っているんです。酒米の「秋津穂」も特別栽培米ですし、これを飲むたびに、当時(松尾さんが「風の森」と出会われた頃)も美味しかったですが、より洗練されているなと思うんですよ」
確かに、油長酒造さんにお伺いした時も(【酒蔵へ行こう】奈良県「風の森」醸造元油長酒造 「風の森の美味しさに迫る」)、「秋津穂」が「風の森」の原点というお話をお聞きしました(「酒蔵へ行こう」では割愛しています)。
終わりに
「SAKE芯」さんを訪れる際は、予約が必須です。「酒屋へ行こう」と思った際は、忘れずに予約をいれて行きましょう。
また、「SAKE芯」さんでは、通信販売も行われているとのことなので、遠方の方は通信販売を利用してみるといいでしょう。元々、松尾さんがフルーティーなお酒と出会い、「新時代のお酒だな」と思って、この酒屋を始められたそう。しかも、品質管理は徹底されていますので、どれを買って飲んでみてもフルーティーで美味しい日本酒に出会うことができると思います。
もちろん、予約を入れて来店しみるのも、とても楽しいと思います。沢山の美味しいお酒との出会いが待っていることでしょう。
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