蔵元→酒屋→飲み屋と、大切に醸されたお酒の流れを追い、「お酒のいま」を楽しむリレー企画。
今回は天吹酒造「天吹」(あまぶき)を中心に追いかけ、東京都練馬区「酒の秋山」にお邪魔しました。
酒の秋山
江古田駅と新江古田駅のちょうど間に「酒の秋山」はあります。
秋山店主が実際に利き酒をして、ご縁があった地酒を適正価格・最高の品質管理にて扱うお店です。
写真撮影をお願いして店内をまわっておりますと、店舗スタッフの方々がお酒業界トークに花を咲かせておりました。お酒好きな人柄が察せられます。
「酒の秋山」は創業が大正11年、現店主で4代目のお店ですが、今でいうところの「地酒屋」らしいお店を志したのは2005年から。現店主が20代の頃から今まで8000種以上のお酒を利きながらここまで本格的なお店に育てられたそうです。
「蔵元にとってお酒は自分の子供のようなもの」と言われますが、秋山店主いわく、「子供のような」ではなく、「子供!」だね。とのこと。
蔵元のなかには月に一度通い続け、9回目にして信用を得たり、足掛け6年通ってお付き合いがはじまった蔵元もあるそうです。
「蔵元と酒販店は、あっさりとした取引の関係ではなく、対等の関係で、一緒になってお酒を盛り上げていく!という意識を大切にしています」と語る秋山店主。
熱い想いの結実した「日本酒セラー」のなかは宝の山です。
また、「酒の秋山」では、店内の冷蔵庫と、日本酒セラーの他に、さらに温度の低い、在庫管理用の冷凍庫があります。今回は特別にみせていただきました。
日本酒は光と温度によってどんどん変質してしまうのですが、-5度前後で保管すると、ほぼ変質しないと言われます。
変質は必ずしも悪いものでなく、例えば熟成酒として、お酒をよりおいしく楽しむ方法もあります。
しかし熟成を前提としていないお酒の場合、もちろん過度の変質は天敵ですので、「酒の秋山」では酵素の活動が停止する温度でお酒を保管するため、-8,5度に設定しているそうです。
これはお酒が凍らないギリギリの温度で、普通の冷蔵庫では設定できない温度であるため、冷凍庫の設定温度を上げて、-8,5度の環境を保っているわけですね。
「天吹」について
まずは「天吹」をお客さんにお酒をおススメするとしたら、どのように紹介しますか?と秋山店主に尋ねてみました。
「「酒の秋山」で「天吹」をおススメするとしたら、2種類ですね。
1つは「純米吟醸雄町」。「天吹」を飲んだことがない方、普段あまりお酒を飲まない方に飲んでいただきたいですね。もちろん、無理にお酒を飲む必要はないと思いますが、お酒を楽しむ入口に適したお酒、ということですね。
女性に人気があるお酒で、食べ物をあわせるとしたら、フルーツ系、イチゴが良いですね。バルサミコ酢のサラダで、フルーツも入っているようなものがおススメです。
もう1つは「特別純米辛口生」。こちらは揚げ物でも、肉でも魚でも、万能かなと思います。味がふくよかで、綺麗にフィニッシュを迎えます。飲む順番としても、「純米吟醸雄町」で乾杯してから、「特別純米辛口生」と飲むと良いですね。
少し脱線しますが、「特別純米辛口生」はお米が「山田錦」で、パワーのある、味のポテンシャルが高いものをつかってまして、熟成にも向きますよ。」
「「天吹酒造」さんはお酒の品質ももちろん、すべての意味で信頼できる蔵元さんですね。
お酒の品質が高いですから酒屋目線で「安心して売れる酒」です。「I LOVE SUSHI」と、ラベル違いの「うるとらまりん」など、遊び心と奇抜さもあって飽きさせないですしね」
「乱暴な言い方をすると、天吹さんのお酒はまず外さないですね。」
と語る秋山店主。この日は出張と出張の間にあたるお忙しいところだったのですが、お酒について、熱く語っていただきました。
それにしても、8000種類の利き酒は凄いですね。と感想を述べると、
「それには実はある仕組みがあってね。お酒は高いものもあるから、普通に利き酒すると、どうしたって赤字になるんだけど……。」
とのこと。
次回!「酒の秋山」のある仕組みについてお伝えします。
酒の秋山の取扱銘柄や詳細情報を知る。
お店情報
酒の秋山
定休日 日曜日
営業時間 11:00~20:00
電話番号 03-3992-9121
住所 東京都練馬区豊玉上1-13-5
江古田駅より徒歩6分
新江古田駅より徒歩6分
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